【昭和レトロ】静岡市駒形通りの「桜湯」でととのう
静岡市の街中を少し外れた駒形通りにある「桜湯」。
1878年創業の古い歴史のある銭湯。1階は銭湯で2階がサウナ。
2階へ登っていく階段はまさに昭和へタイムリープする入口のようだ。
「サウナ」の書体も、色の組み合わせも令和になった現在ではお目にかかれない雰囲気のある看板。
それもそのはず、昭和45年の景色が平成を跨いで今尚そのまま残っているのだ。
純喫茶のサウナ版といった所だろうか。
入口の扉を開けると、どこか懐かしい香りがした。
そう、小さい頃に父親に連れて行ってもらった商店の香りがした。
記憶というものは、こうしたタイミングでふと蘇る。
ここには昨今のスーパー銭湯にあるような癒しではなく、
どこか昭和を懐かしむ、回想的な癒しを感じられる空間だ。
浴室の電球、蛇口、桶、タイル全てが昭和の名残を感じさせる。
蛇口も赤と青で温度の配合を合わせる今では見かけないレアモノ。なかなか湯加減が難しい。
シ浴槽もお湯と水風呂の2種類と潔い。
メインのサウナはフィンランド式で年季が入ったメトス社のもの。
レンガで組まれたサウナストーブも雰囲気がある。
砂時計や室内の照明もレトロだ。
故に浴室内で流れているテレビでさえも昭和の洋画かと一瞬錯覚してしまう。
サウナストープの強さは90℃となかなかハイパワー。
じっくり砂時計1セット10分にて蒸され、水風呂へ向かう。
サウナを出て真横に水風呂がある。
広くはないが、1人で入る分にはちょうどいい大きさ。
安倍川水系の伏流水らしく、匂いもなく優しく柔らかい。
水温も体感として16℃〜17℃くらいで包み込まれるような気持ち良さ。
桜湯の水風呂は言うなれば「静の水風呂」が相応しい。
一人悠々入れる水風呂に蛇口からそそがれる水の音。
心地よくスーッと耳に入ってくる。
しきじのダイナミックな滝とは異なる静の癒し。
見上げれば天井と昭和製のガラス照明。
時が一気に昭和へ巻き戻る。
そして水風呂の窓からは外を眺めることができる。
この窓が日常との境界線なのである。
窓をあけ、やや狭いスペースに窓から落ちないように緊張感を保ちながら座り外気浴をおこなう。
決して快適とはいえないが、懐かしみ落ち着く空間がここにはありました。
休憩室の風景。
年代を感じさせる椅子が並ぶ。
小さな頃に規制した祖父母の家のようだ。非喫煙者の自分にとっては少し辛いですね。
やや値段は張るものの、レトロな雰囲気を視覚・感覚的に楽しむことができる。
そして時間帯によりますが、貸切に近い穴場的サウナ。
つねに変わり行くことを求められる昨今、ここだけはこのまま変わらないことを願うサウナ。
飾られていないリアルがここにはありました。
Good Sauna.
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